仕事をしているとき、たまに心底ウンザリさせられる人間と出会うことがある。
そういう人たちを観察してみると、驚くほどに「保身が最優先」という共通点があることに気が付いた。
状況は関係なし。自分が一番。
例えば職場で急な仕事が入ったとしよう。通常業務の流れが破壊されるような案件である。しかし緊急度も難易度も高く、とにかくみんなで総力戦で望まなければならない。のっぴきならない状況というやつだ。
こんなとき、アホな私はそれこそ祭りに遭遇したかのように燃え上がる。別に叫んだりするわけではないが、脳みそがフル回転し、集中力はマックス。自分の力のすべてを注げるようになる。たぶんこれがかの有名な“使命感”というやつだろう。まさに会社の犬である。
その一方で、「私には関係ありません」とか「私はこの仕事があるんですけど」みたいに、自らの都合ばかりを主張してくる人間がいる。これは部下に限った話ではない。上司だろうが、同僚だろうが関係なしである。そういう人間が一定数いるのだ。「誰かがやるべきものだろう」としか考えられない人間が。
こういう奴らに遭遇すると私は本当にウンザリする。自分が使命感に燃えているから余計にそう思うのかもしれない。というか、そもそも私は自分の仕事に日頃からウンザリしているので、いつも通りと言えばその通りである。ぐうの音も出ません。どうもありがとうございます。
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保身のバランスを考えてほしい
保身がいけないとは言わない。確かに自分の身体も心も誰かが守ってくれるものではない。自分が守らなければならない第一のものだと思う。
だが、だ。バランスってものがあるだろう。
職場を守ることだって結局は自分の立場を守ることとイコールだ。誰から給料を貰っているか分かっていないのかもしれない。
保身に捕らわれているやつってのは、大抵、損することに敏感で、行動コストが異常に高くて、被害者意識が強い。つまりまったく頼りにならないやつだ。
彼らと職場で一緒になった人は不幸だ。常に問題を押し付けられることになるだろう。
保身でいる方がラク、という事実
ただ自分にも戒めておかなければいけないのは、偉そうに語っている自分自身もたまに保身よりに傾いてしまうこと。
そういうときってのは大抵疲れているか、忙しさが限界に近づいているときだ。守りに入らないと保たないと思っているとき。限界なのであれば保身になるべきなのだろう。
保身ってのはやってみると分かるけど、問題を他人に押し付けられるので、ラクなのだ。ラクということは人は自然とそちら側に傾くということ。みんなラクなのが大好きだから。
ちょっと休憩する程度のつもりで保身になってみたら、常に自分の身を守ることしか考えられない人間になっているかもしれない。心が脂肪でぶよぶよになったような人間に。
保身が身を滅ぼす
他責で生きていこうがその人の勝手だろうが、その対価として周りにいる人から確実に信用と人望を失っていることを覚えておいた方がいいと思う。
いくら本人の面が厚かろうが強気だろうが関係ない。人は他人の助けを借りなければ生きていけないのだから、いつかその過剰な保身が大事な大事な我が身を滅ぼすことになるだろう。
なんてことを思いながら、明日も保身を最優先にするあいつらと仕事をするのだ。
なので彼らにはぜひとも私の正しさを証明するために、一刻も早く身を滅ぼしてもらいたいと思う。
以上。