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東野圭吾の「これは読まなくていい」という駄作10選

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こんな記事を書いてごめんなさい。

 

どうも。読書大好きブロガーひろたつです。

今回は日本で1番人気があるであろう、小説界の巨人東野圭吾がテーマである。しかも喧嘩をふっかけるような記事になっている。どうか東野圭吾御大には、こんな小物ブロガー、相手にしないでほしい。言われなくてもしないだろうけど。

 

題して「東野圭吾の“これは読まなくていい”という駄作10選」である。

 

このブログでは毎月東野圭吾作品がたくさん売れている。少なからず私の懐にはお金が入っている。そういう意味では非常にお世話になっている御方である。恩をアダで返すとはまさにこのこと。言語道断、畜生の所業だと自分で思う。ごめんなさい。

 

だが、いくらベストセラー作家と言えど、あれだけ大量の作品を発表すれば駄作も紛れることだってあるだろう。化物のように感じられるが東野圭吾だって私達と同じ人間である。たまには失敗だってするさ。

 

ということで彼の数ある著作の中でも特に「これぞ…!」と思える駄作を10冊厳選してみた。東野圭吾のおすすめ作品をまとめた記事は数あれど、駄作をまとめた記事はなかなかないはずだ。

 

ただ、どれもこれも腐るほど売れている作品なので、もしかしたら皆さんの中には「いやいやそれはないでしょ」と思われる方もいるだろう。その場合は、私の酷評なんぞエンタメの一種だと受け取って楽しんでもらえると助かる。

では行ってみよう。

 

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1. 殺人の門

ただただバカな主人公が嫌な奴に振り回されるだけの作品。 それを一大叙事詩とは笑わせてくれるじゃないか。全然笑えないけど。

東野圭吾曰く「読者が主人公にイライラするように書いた」とのことだが、それが本当の目的ならば大成功だが、あまりも読者へのサービス精神が無さすぎるというか、物語としての機能を果たしていない気がする。

これだけ売れてしまうとこんな作品を書いても許されてしまうのだろうか。うすた京介と似た現象だろうか。

何も面白くない物語が600ページ以上も続く地獄である。読む価値なし。不快になりたいならその辺に落ちている犬のフンでも凝視した方が手っ取り早いんじゃないだろうか?

 

2. 時生 

タイムトラベルを絡めた感動作で、死ぬほど売れている。 

 

「あの子に訊きたい。生まれてきてよかった?」という臭すぎる帯が大々的に書店に並んでいたのを思い出す。それに手を出してしまう私も私である。書店のたまにやるフェアが大好きなのだ。あれだな、祭りとか旅行のテンションでクソみたいなお土産を買ってしまうのと同じ原理だな。

安い感動を売りにしてしまうのは東野圭吾の悪いクセだと思う。まあそれが売れてしまうからいけないんだろうけど。

評価が高い意味が私にはさっぱり分からない。みんな『秘密 』とか読んでないのか?比べ物にならないと思うんだけど。 

 

3. 白銀ジャック 

 

読者を翻弄し、爽快感を売りにした白銀ミステリー…だけど、全然翻弄されないし、爽快感もなくてモヤッとするだけの作品。

 

特に気になったのは犯人側の動機。あまりにも温(ぬる)すぎて、読んでいて非常に気持ち悪い。ヌルヌルのぬるま湯に浸かったらこんな気分になるだろう。

これでも売れてシリーズになったりするんだから東野圭吾人気は恐ろしい。

 

過去の東野圭吾作品を知っている自分としては「適当に書いたんじゃないか」としか思えない出来である。作品にスピード感を出すためにスキーの演出を入れまくっているけれど、そういうことじゃないから。

 

4. どちらかが彼女を殺した 

 

まさかの「真相が明かされない」ミステリー。

若かりし頃の「ミステリーのパターンは全部やり尽くしちゃる」と息巻いていた東野圭吾の迷作である。

 

まあこういうパターンもありなんだろうが、やっぱり推理小説としてはまったく楽しめない…と言ってしまうような読者を教育するために書いたのも分かっているのだが、やはり認められない。

これを楽しめるのは余程のマニアだけだと思う。そしてそういう人は東野圭吾作品を読まないんじゃないだろうか。

私としては単純に「作者がラクをした」としか感じられない作品だった。そして犯人がどっちだろうが構わないし、興味が無くなったのが正直な所。

 

5.  分身

 

陳腐という言葉がお似合いな作品。

テーマは悪くないと思うだが、ストーリーは、ただただ進むだけで面白くないし、登場キャラクターも全然魅力的じゃない。楽しみどころが本当にない。

東野圭吾の文章はリーダビリティが高いので、つまらなくてもスイスイと読めてはしまう。こちらの『分身』も然りである。だが、読書的快楽はこの作品の中には見出だせなかった。普通に駄作である。

 

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6. パラレルワールド・ラブストーリー 

 

一目惚れした女性が親友の恋人になってしまい苦しむ主人公。しかしある朝目覚めると、なんとその女性が自分の恋人として隣に寝ていた…。

 

現実と記憶が交錯する、精緻な伏線に意表をつく展開、そして驚愕の真実。これぞ傑作長編ミステリー!

 

…というような扱いをされている作品である。

ミステリー好きであれば、この構成に興奮しないわけがない。絶対に何かが仕組まれていると期待してしまう。垂涎ものだろう。

だがその期待はしっかりと裏切られる。不時着もいい所な結末である。

 

何が驚愕の真実だ、精緻な伏線だ、意表をつく展開だ。そんなもんどこにもねえぞ。傑作長編ミステリーでもないし、一体何だこれは。小説なのか。いや、小説なのは間違いないな。

ということでただの小説です。

 

7. 放課後

この作品を酷評するのは若干抵抗がある。なんと言っても東野圭吾のデビュー作なのだ。稚拙なのは仕方がない。彼が得意とするリーダビリティもこの時点ではほとんど感じさせないし、作品としての出来は“いびつ”である。まあ創作に慣れていなかったのだろう。

だがそんなことよりも、「乱歩賞受賞作」という文言だ。これがいけない。

乱歩賞を受賞した作品にも関わらずあの動機はないだろう。テンションがガタ落ちだろう。謎を汚すようなオチにしちゃダメだろう。

バカミスとはまた違った意味で、出来の悪い推理小説である。

 

8. 使命と魂のリミット

緊迫した手術室がテロの標的にー。手に汗握る超医療サスペンス!

 

大仰な題名で余計に損をしているというか、作品としての価値を落としている感が否めない作品である。

そこまでの緊迫感もないし、大した事件でもない。犯人の計画は別に知略を尽くしたものでもないし…。うーん、使命ってなんじゃい。魂のリミットなんて格好良い言葉を使っているけど、ただ単に電源が落ちそうになっているだけだろ?

この時期ぐらいから東野圭吾が急速に劣化していくのを、ファンとしてリアルタイムで体感していた。最近の著作を見てもどうやら持ち直す様子は感じられない。創作とは難しいものだ。

 

9. 手紙

この作品を否定的に紹介するのは二度目である。

 

※参考記事

www.orehero.net

 

伝えたいことはこの記事で書いてあることがすべてである。

チープな登場人物から飛び出す、あまりにも陳腐な言葉に白けてしまった。用意されすぎた登場人物は読者を現実戻してしまうのだから、フィクションというやつは難しい。

売れに売れてて、多くの人が絶賛している作品である。みんな幸せ者だと思う。いや、皮肉ではまったくなくて。正直に。

私は余計な所で躓いてしまっただけなのだろう。 

 

10. 容疑者Xの献身

さあ最後は直木賞受賞作の輝かしき傑作『容疑者Xの献身』である。

献身と謳っているので、あの結末もストーリーもトリックも受け入れよう。本当は全然受け入れていないし、クソだと思っているのだが、それよりもこの作品に関して言いたいのは「直木賞受賞作」という冠である。

例えばこれから東野圭吾作品を読もうとしている人がいたとしよう。きっといっぱいいるはずだ。そんな人が何を参考にするだろうか?きっと著作リスト中でも「〇〇受賞作」と銘打たれているものを選ぶんじゃないだろうか?

はっきり言って、『容疑者Xの献身』は東野圭吾作品の中でも大した作品ではない。駄作とまでは言わないが、下の上ぐらいが妥当な所だろう。読むべき作品はもっと他にある。

そういう意味で非常に罪深い作品なので、選出させてもらった。

 

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ベストセラー作家に感謝を 

さあ好き放題書いてきたこの記事もこれでお終いである。

私の不快なレビューにお付き合いいただき感謝する。これでも私なりに湧き上がる黒い感情を、できるだけ笑えるものや納得できるものに昇華してみた結果である。楽しんでもらえたらこれほど嬉しいことはない、というのはさすがに嘘だが、まあまあ嬉しいのは事実である。

 

勝手なことを書き連ねてきたが、実際の所、私は東野圭吾に非常に感謝している。

彼のような大物がいるからこそ、小説界に多額のお金が流れ込んでくるわけだし、それによって新しい才能が発掘されているのだ。小説界はほとんど東野圭吾で保っていると言えるだろう。それくらい巨人なのだ。東野圭吾は。

もうすでに東野圭吾作品には興味を持てない私だが、少なくとも彼の活躍だけには感謝の気持ちを抱き続けようと思っている次第である。

何とも偉そうな記事を書いてしまい反省している。でも書いていて楽しかったのも事実だ。愛してるよ、東野圭吾。

 

以上。

 

東野圭吾の謎

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