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サッカーを戦術的に楽しめる『GIANT KILLING』は頭が良くなる

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サッカー大好き人間の私ですが、サッカーマンガは好きではありませんでした。

そうこの作品に出会うまでは。

 

GIANT KILLING(1) (モーニング KC)

ツジトモ 講談社 2007-04-23
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サッカーは知的格闘技である 

と、書いたはいいのですが、実際の所は違います。 

 メッシやクリロナに代表されるように、バケモノのような選手がいれば大抵の相手には勝ててしまいます。いくら戦術を練ろうが容易く蹂躙してきます。

これは悲しい事実です。 なので私はバイエルンに代表されるような飛び抜けて強いチームが好きになれません。

 

ただこれはサッカーのいち側面でしかありません。大抵のチームにはメッシもクリロナもいません。

そうなると俄然試合は面白くなってきます。

名将たちや、選手たちの頭脳勝負になるのです。

 

ゴール前は戦場です。

いかにゴールをこじ開けるか。いかに守るか。

そのためには数えきれないほどの思惑を張り巡らせなければならないのです。

 

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ミラクルプレーは本質ではない

 

サッカーではミラクルプレーばかりがクローズアップされますが、実際に試合を動かしているのは、ほとんどが戦術なのです。

しかし見た目にはあまり分からないのも事実。

なので、私はこれらのブログを参考に戦術やチームの狙いを勉強していました。

 

戦術やチームの狙いが分かってくるとサッカーがさらに深く、面白くなります。というかそれが醍醐味にさえなってきます。

そして『GIANT KILLING』ではサッカーをそういった戦術的な側面から切り取っているのです。

「サッカーの戦術とかよく分からない」

そんな方には入門編として非常にオススメできます。サッカーがより好きになりますよ。頭が良くなったような気がします。

選手の感情や因縁も取り扱う

『GIANT KILLING』の魅力はまだあります。

選手たちも人間です。監督ももちろん人間です。

そこには歴史があり、感情があり、得意不得意があります。怪我に泣かされる選手もいれば、試合に出られずに葛藤している選手もいます。そして残酷な決断をしなければならない監督という仕事。

そういった人間的な部分がこの作品の基盤になっています。

「頑張ろうぜ!」「諦めるな!」「勝てた、嬉しい!」

そんなステレオタイプな作品じゃないんですよ。スポーツマンガとは名ばかりの、重厚な人間ドラマです

 全部取り扱う

さらにさらに。

サッカーは監督と選手だけのものではありません。

チームを運営するスタッフ。経営に苦しむスポンサー。なんとかスポンサーを説得したい広報。そしてチームを支える熱狂的なサポーターチーム。

それらも巻き込んで物語は進んでいきます。

読んでいて「そこまで手を広げるか!」と感動してしまうレベルです。特に熱狂的なサポーターとの邂逅と昇華は最高のエピソードでした。

 

このマンガは原作と作画の人が別々なのですが、だからこその仕事ですね。これは1人でやってたらとてもできる芸当ではありません。ビバ、チーム力。

内容を書くとつまらなくなるから…

こうやって作品を紹介するたびに、できるだけ中身を見せないように気をつけているんですけど、ほんと難しいです。

売れている作品がいつもいつも面白いとは限りませんが、それでもこの作品は人の心に火を付ける力があると思います。読んだ後に誰かと共有せずにはいられない面白さがあるんですよね。だからこそこんなにも売れているんでしょう。

 

具体的なエピソードは語りませんでしたが、少しでも『GIANT KILLING』の魅力が伝わればと思います。

 

GIANT KILLING(1) (モーニング KC)

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