俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

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やべっちFCでリオ最終予選中に書かれた遠藤航の日記が公開

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どうも、ひろたつです。

先日やべっちFCにて、リオ最終予選中に書かれた遠藤航の日記が一部公開されたので紹介します。

◯放送内容

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悔しい思いをした人間は成長できる。

 

後々、思い返すと一番大事になったかもしれない。



※番組内で使用されていた楽曲です。


今年1月、6大会連続で五輪出場を決めた若き日本代表。その裏側を綴ったノートがありました。
キャプテンの遠藤航が大会期間中、毎日綴っていた日記。

準々決勝で負けてきている。得点力がない。本当に出場できるのか。


この日記には3つの秘密が綴られていました。リオ出場、その裏側に迫ります。

このチームで少しでも長く、多くサッカーがしたい。



1.ある選手の存在がチームを変えた。

大会前、彼らを取り巻く状況は逆境だった。日本代表の長谷部からも「U-22大丈夫?」と心配されていた。

「練習中に声が出ていない」
「おとなしい」
「戦う気持ちがない」

リオ五輪出場が不安視されていた。

そんな中、ある選手の存在がチームを変えるキッカケを作ったという。

1/18 今日はしんや(矢島)の誕生日だった。おめでとう!!三竿は一発芸を持っていることがわかった(笑。
1/27 三竿がまた一発芸をやらされた。植田のマネをして結構ウケた。

直前の合宿でメンバー入りした鹿島の三竿19歳。今までいなかった年下のムードメーカーという存在がチームを1つに。

遠藤航「チームを明るくする要因を作ってくれるというのは、間違いなく雰囲気がよくなると思う」

三竿「チームのために行動しようと思ってました。自分が試合に出たとか出ないとかそういう感情は出さないようにして、本当にチームが勝てばいいという風に思ってました」

遠藤航「普段は静かだったり、口に出して言うのは苦手な選手が多いんですけど、一人ひとりの持っている五輪への想いは強いなって感じました」

1/13 VS北朝鮮 ◯1-0
試合に出ているメンバーは、出ていないメンバーの分まで戦わないといけない。出ていないメンバーもチームのことを第一に考えて練習に取り組まなければならない。
どんどんチームとして成長していけるようにしたい。良いチームになってきていると感じる。



2.悔しさが日本を強くする

この世代はまさしく悔しさをバネに成長してきた。

2012年U-20W杯出場を逃す。2014年U-20杯出場できず。
これまでリオオリンピック世代はアジアで負け続けてきた。

今大会、手倉森監督はメンバー23人中22人を起用し、試合ごとに日替わりヒーローが生まれてきた。
計10人の選手がゴールをあげた。まさに世代全体の成長を見せつけてきた。

1/16 VSタイ ◯4-0
今日の試合は半分ほどメンバーを入れ替えて挑んだ試合だった。初めて試合に出た選手もいたけど誰が出ても同じサッカーができることを証明できたと思う。



『誰が出ても同じサッカーができる』


しかしその一方、キャプテンの遠藤だからこそ生まれるある想いがあった。

遠藤がスタメンから外れたサウジアラビア戦。
 

1/19 VSサウジアラビア ◯2-1
今日外から見ていて三竿やようすけ(井手口)が良いプレーをしているのを見ると危機感を感じる。
キャプテンとしてチームを引っ張っている分、試合に出場する機会は自分の方が多いけど、ボランチとしての実力はそんなに変わらないと思った。


遠藤航「ただキャプテンだから出してもらっている、というネガティブな感情はありました。ただ自分が上手くいかなくても、チームが勝てばいいという気持ちでしたね」 


全ては日本の勝利のために。だからこそ-

ボランチのとしての自分はまだまだ理想にほど遠いからこそ、やっぱりリオに出たいと思った。
むしろ振り返ると一番大事な1日になったかもしれない。


勝てばオリンピック出場が決まる準決勝イラク戦。
遠藤が抱えていた不安と本音。

1/25 イラク戦前日
準々決勝で負けてきている。得点力がない。本当にオリンピックに出場できるのか…。
周りから色々な声が聞こえているのはみんな分かっていたけど、それを覆そうと頑張ってきた。
「悔しい思いをしてきた人間は必ず成長できる」


そしてイラク戦。久保のゴールで先制するも、追いつかれる展開。後半アディショナルタイムは3分。
延長戦へ入るかと思われた瞬間、原川の劇的ゴールによりU-23はリオ出場を決めた。

1/26 VSイラク ◯2-1
リオ五輪出場決定!!!!
本当にチーム一丸となってつかんだ勝利。
出られなくて悔しい思いをした人もチームのためになにができるかを考えて行動していたし、試合に出ているメンバーは出られない人の分まで戦えていたと思う。
勝った瞬間、こんなに喜びを感じたのは初めてだし、涙を流したのも初めて。


2012年の悔し涙は、2016年嬉し涙に-。


3.監督と選手の強い絆


負ければ終わりの準々決勝、イラン戦。
どんなときも、指揮官は選手を信じていた。結果は3-0の圧勝。


豊川「恩返しも込めて監督を男にしたいという思いはありますね」
中島「自分が試合に出ていないときも呼びつづけてくれたんで、絶対にオリンピックに連れて行きたいですし、オリンピックで一緒に戦いたいと思っています」


その信頼は選手の力を引き出した。

手倉森監督「難しいとか厳しいとか言われた中でも、僕が彼らを信じて使命感を持ってこの世代を鍛え上げたいと思います」



指揮官が思い描いていたシナリオがあった。

決勝前日会見より。
手倉森監督「最後は韓国になると大会前から話していた。この上ないシチュエーションが用意されたなと思っています」

選手たちの思いはひとつ。

1/29 韓国戦前日
明日はいよいよ決勝。
このメンバーでプレーできるのは最後になってしまう。
試合に勝つたびに良いチームになってきているの感じていただけにさみしい。
ただリオまでこの世代は活動できるわけだからまた一緒にプレーすることは可能だし、これからはもっとメンバー争いも激しくなる分、自分を含めみんな努力しなければならないし、個の成長が必要。
とにかく明日は絶対に優勝してテグさんを胴上げしよう。


1/30 韓国との決勝戦。日本は韓国相手に2点ビハインド。
それでも監督は選手を信じていた。
今大会0ゴールの浅野を投入。そこから怒涛の3得点。

強い絆で掴んだ初めてのアジア王者。次は夢のリオオリンピック。

遠藤航「メダルを取ることしか考えていません。もう次に向かっていますよ。ここからが大事だと思います」



最後に、選手と監督の絆が見えるこんなエピソードを紹介。

1/24 今日は朝からクビが少し痛かったんだけど、練習前に監督から「航、首痛いだろ?」と、何も言っていないのに当てられてビックリした。
監督はもしかしたら預言者なのかもしれない。

 

 

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◯いいチームだったんですね


外野は好き放題言いますけど、言われている当事者達は溜まったもんじゃないですよね。そのプレッシャーをバネにできたから良かったものの、それで選手が自滅してたら目も当てられませんからね。
ただそんな敵だらけの状況の中でも、選手たちが団結して、監督は選手を信頼し続けたからこそ、あの結果だったんですね。本当に素晴らしい。サッカー大好き。

私は会社でそうなんですけど、同僚たちと難しい顔しながら仕事をしたくないんですよね。真剣にやらないとかじゃなくて、追いつめられたり、誰かを嫌いながら仕事をしたくなくて。
いいチームの基本だと思うんですけど、周りにいる一緒に仕事をする人間に対して心を開けないとダメなんですよね。気持ちが窮屈だと絶対にいい仕事はできないし、いやいや仕事をすることになる。
だから「仲良しごっこ」と揶揄されようが、チームが和気あいあいとすることはとても重要なことなんです。

◯次はもっと厳しい。だけど…


最高のドラマを見せてくれたリオ最終予選ですが、本大会はもっと厳しく、レベルの違う戦いが待っています。
OA枠も含め、誰が出場できるのか。対戦国はどうなるのか。
普通に考えたら日本はメダルを取れるような強豪国ではないのですが、それでも期待はしてしまいます。本大会で結果が出ずに落胆するくらいだったら、今の時点から期待しないでおこうとする人もいますけど、私は違います。この世代を応援しているので一蓮托生です。死ぬほどメダルを期待します。そして負けた暁には死ぬほど落ち込みます。
でもそれがサポーターってやつの正しい姿でしょ。都合のいいときだけ応援するなんて卑怯じゃないですか。

もっと厳しいかもしれない。だけどクソほど応援してやりますよ。

そんなことを思った次第でした。