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俺だってヒーローになりてえよ

圧倒的な読書量と端から忘却していく貧相な記憶力、ふざけた文章を駆使するポンコツブロガー。 同情されているのか、やたらとオススメ本や漫画が売れている。月間250冊以上。 バカなことを書いて怒られること多し。

誤った非行歴で推薦を拒否され自殺した中学生。命の大切さよりも教えるべきこと。

ニュース オピニオン


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どうも、ひろたつです。


今回の記事は命と人生のお話。

◯中3男子生徒が自殺


かなり騒がれたニュースなので、記憶にあるかと思う。

中3男子生徒が自殺 誤った非行歴で「推薦出せない」

 

教育委員会によると、学校側は自殺する前の進路指導で、生徒が万引きをしたという誤った記録に基づき、志望校への校長推薦は出せない旨を伝えていた。町教委は「学校側のミスがなければ推薦は出せた」としており、第三者委員会を設置し、自殺との関連を調べるとしている。8日夕に行われた臨時保護者会で経緯を説明した。

 

 町教委によると生徒は第1志望が公立高、第2志望は受験に校長推薦が必要な私立高だった。担任教諭は昨年11月の進路指導で生徒に対し、1年生当時に万引きしたとする誤った記録に基づき推薦はできないと説明。その後も同12月8日朝まで計4回、面談し、同日には生徒に「万引きのことを親に説明する」と伝えた。

 

 生徒は同日予定されていた保護者、担任教諭との三者面談に姿を見せず、担任教諭は保護者とだけ面談した。同日午後5時頃、帰宅した保護者が倒れている生徒を発見、搬送先の病院で死亡が確認された。遺書のような文書が残されていたという。

 

非常に痛ましい事件であり、学校側への非難の声が数多く挙がっていた。中には教諭個人を攻撃するような内容もあり、見苦しいことこの上なかった。
確かに管理体制への疑問は感じるが、こういったネットリンチにはこの事件以上に不快さを感じる。

◯腐った球根


私の個人的な話をさせてもらう。

幼稚園の頃、授業の一環で球根を育てることになった。
たしか全部で30人ぐらいいたと思うが、各々がガラスのコップを持ってきて、そこに球根を浮かべた。
窓際の陽が当たる場所にずらりと30ケ並べられた球根はなかなかの壮観だったことを覚えている。
 

それから幾日か過ぎたある日、球根の根が伸び始めたことに気付いた子が自慢気に「僕の球根伸びてる」と言ってきた。私の球根はコップに入れたときとまったく変わらない様子で、正直悔しかった。


クラスの球根は日を追うごとにみるみる成長していき、毎朝球根の状態を確認するのがクラスのみんなの日課になっていた。
球根の成長に喜ぶ生徒たち。植物は生きていることを初めて実感した瞬間だった。
 

ここでひとつ問題が起きた。
 

私の球根がまったく変わらないのだ。いつまでもただ水に浮かんでいるだけ。
その頃すでに最初に根が伸び始めていた子の球根は花が咲き始めていた。


私は今か今かと、トトロのメイなみに球根の成長を待ちわびていた。

子供だったのでどれくらいの期間だったか定かではないのだが、ある日、先生が私のもとにやってきた言った。
「ひろたつ君の球根は腐っていたみたい。また新しいのを育てようか」
私の不運を慮るような優しい言い方だったが、それでも私は非常にショックだった。みんながあんなにも楽しそうに球根を育てているのに、なぜ自分のだけ腐った球根だったのか。その理不尽さが悲しかった。
あのとき、私は被害者だった。

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◯この世は理不尽に満ちている



さて、話を自殺した彼に戻そう。
 

彼を責めることなどできない。学校というある種の聖域の中で、自分が不当に扱われたら傷付くのは間違いない。多感な時期であれば尚更だ。
この事件は誰に利益をもたらすことはなく、関係した人間全てを不幸にしたと思う。
 

私たちが生きているこの世界というのは、理不尽なことに満ちている。

これはどこかの悪人が仕向けているわけではなく、誰かのほんの勘違いや、ちょっとしたミス、手違いが人に理不尽な不幸をもたらしてしまう。しかもそれは日常茶飯事なのだ。

◯命の大切さを知らない人はいない


自殺した彼のことをみんなはどう思うだろうか?

「若いのに可哀想に」
「まだまだ未来があったのに」
「命をムダにしてほしくなかった」

そんなところだと思う。

対して学校側にはひどい憤りを感じていることと思う。

これは私が思うに、きっと自殺した彼の思う壺なのだ。
彼は自分の命を重さを分かっており、その価値を使って学校や教師に復讐することに成功した。世論も彼を味方している。

つまり、命の大切さを教えたところで自殺を止めることはできないのだ。
日本は命を賭けることが美徳とされる文化がある。命は武器になると思われているフシがある。

だからこそ他に武器を持たない子供は、自分よりの強大な存在に対して安易になけなしの武器である命を使ってしまうのだ。それが唯一の社会に対する抵抗手段だから。

◯腐った球根を受け入れられるように


なので私は命の大切さを説くつもりはまったくない。むしろ自分の存在なんて大したことがないと思ってもらいたいぐらいだ。

世界は自分が思っているよりも遥かに複雑で、自分のことを特別扱いしてくれる人なんてほんの僅かしかいない。そんな残酷な事実を知ってもらいたい。

自分の命なんて、自分と身近な人以外にとってはほとんど無価値なのだ。だからこそ、他人の目を意識してやりたいことをやらないのは愚かだし、毎日を苦痛に過ごす必要はないのだ。圧倒的に自由でいるべきなのだ。

自分という存在は特別ではない。だから腐った球根が手元に渡ってくることもある。
だけどそれも自分の人生であり、そこにどんな意味やストーリーを作り出すかも自分次第なのだ。

大事にされない自分の命なのだから、せめて自分だけは大事にしてもらいたいと思う。