俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

【コラム】いきものがかりの最高傑作は『コイスルオトメ』

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いきなりで恐縮だが、いきものがかりの最高傑作を決めた。もう投票は受け付けていないので悪しからず。(そもそも投票なんかしていない)


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コイスルオトメ


◯評価内容

デビュー作である「SAKURA」も間違いなく名曲だが、審査員(私)から「日本語を聴かせる歌なのに、曲名をローマ字にしているあたりに姑息さを感じる」という意見が出て、惜しくも次点となった。

その点この「コイスルオトメ」という曲名は姑息さを感じない。むしろ清涼感さえある。恋する乙女が大好きな男の心を鷲掴みしてくる。また、歌詞の内容も非常に愛らしい黒髪乙女の純情&青春がそこかしこに散りばめられていて堪らなくなる。愛おしくなる。抱きしめたくなる。おい、そこ。気持ち悪いとか言うんでない。

しかしこの可愛らしい歌詞もリーダーの水野良樹の手によるものだと分かると、一気に胸の中で膨らんでいたピンク色の何かがしぼんでいくのを感じる。ここはこの作品の数少ない欠点でもある。

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しかしそんなことはこの作品の持っている力の前ではささいなことである。むしろ問題にならない。そんな瑣末なことを気にするような小さな男にはなってはいけないのである。男は黙って騙されていればいいのだ。

…評価に話を戻そう。

この作品は彼らいきものがかりがデビュー前に作られたもので、メンバー達も非常に愛着があるらしく、その想いは演奏の丁寧さによく現れている。真摯な想いは確実に聴いている者の耳に届くようにこの世界はできているのである。音楽のいい所だ。

またこの歌詞世界での乙女を想像すると、当然ボーカルの彼女の姿が真っ先に浮かぶことだろう。

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確かに極上の美人ではない。しかし彼女の可愛いのだ。
断言するが、彼女の可愛さが分からない男は絶対にモテない。女性のこういう可愛さを理解できない男は一生仮想世界の女と暮らすことになるだろう。どこが可愛いか詳しくは語らない。自分で感じ取るがいい。
いちおうヒントを与えるとするならば、いきものがかり『気まぐれロマンティック』のPVを観ることをオススメする。少しは理解できるだろう。

そんな彼女の魅力がこの楽曲の完成度に拍車をかけているのである。極上の美人ではこうはいかない。作り物めいてしまうからだ。嘘くさくなるとも言い換えられる。
吉岡聖恵という逸材が表現するからこそ、この楽曲は完成したと言っても過言ではない。

またこの楽曲が完成した際にメンバー達が「やっていけるかも」と手応えを感じたというエピソードを聞いている。
確かにこんな楽曲が完成した日には私だったら嬉しさのあまりビルの屋上から飛び降りてしまうかもしれない。そして日の目を見ることなく、私が作った『コイスルオトメ』は気持ち悪いおっさんが作り出した最悪の作品として遺族の手によってこの世から葬り去られていたことだろう。…一体何の話をしているのだ。


悲しいのはこのクオリティを出すことは一回しかできないということだ。
どんな作品でも言えることなのだが、作品はそれが完成品であって、「もう一度あの感動を!」というのはありえないのである。中途半端な作品であれば、もっと進化させたものをアーティストは発表できるかもしれないが、基本的にはムリだ。アーティスト達は苦しみに苦しみを重ねた挙句に作品を作り上げている。そこに妥協が入る余地はない。すでに最高到達地点なのである。だから私たちはいい作品に出会ったと同時に、その作品から得られた感動と別れているのだ。これを肝に命じなければならない。

まずはこの楽曲に出会えたことを感謝しよう。それから十分に堪能しよう。
そしてまた新しい楽曲との出会いを待ち望もう。それがいいリスナーというやつだ。

出会いがあれば別れがあるというが、それは作品も感情も感動も一緒だ。その時しか味わえないから貴重なのである。だから同じ感動を与えてくれないアーティストに対して幻滅するのはお門違いである。それはただあなたがいつまでも同じ場所で口を開けて餌が来るのを待っているからそんな気になるのだ。餌を与えてくれる存在はもういない。さっさと巣から飛び出しなさい。アーティスト達はすでに先に進んでいるのだから。


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