俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

血って怖いねって話 ※血族という意味で

どうも、ひろたつです。最近、私の職場であったちょっと怖い話を紹介します。

 



お金の管理がずさんなYさん。少しでも余裕ができればギャンブルにお金を使ってしまい、食費を限界まで削るという生活を送っていました。しかしタバコはしっかり買うというクズっぷり。

そんな状態でも、周りの私達は「どうしようもないですね」なんて笑い話で済ましていました。問題さえ発生しなければそんなもんですよね。

そんなある日、Yさんが欠勤をしました。風邪をひいたとのこと。しかし、そのまま2日、3日と経ってもYさんは来ず、5日目からは遂に欠勤の連絡さえ途絶えました。

会社から連絡を寄越したのですが、どうやら携帯が止められているようでした。報告を受けた上司のH部長が「しょうがねえ奴だなあ」と笑いながら言いました。

「もしかして死んでいるんじゃないか?」そんな話も出ました。しかし、心配はするものの私達の目の前にはやらなければならない仕事があります。気になりつつも仕事を開始しました。

その内、心配になったH部長と何名かが「家に行こう」と声を上げ始めました。上司達の仕事は急を要するものではありません。話が出るとすぐにH部長が陣頭指揮を執り社用車に乗って出掛けていきました。

このH部長、かなり怖いのですが部下想いで有名でした。

夕方頃会社に帰ってきたH部長に話を聞きました。

Yさんは無事だったのですが、体調を崩して満足に動くことも出来ない中、更にはお金が底をついてしまい食べるものが何も無かったのだという話でした。H部長は「両親に助けを求めなかったのか」とYさんに訊きました。ですがYさんは「両親との縁は切っている」と言葉少なに答えるだけだったそうです。

仕方ないのでふらふらのYさんを無理やり連れ回し飯を食わせに出掛けたそうです。腹が膨れて少し元気が出た所で、H部長の鬼の説教を食らわしてやったとも言っていました。

二日後、Yさんは無事に出勤してきました。「お騒がせしてすいません」と照れくさそうに笑う顔を見て、私達は一安心しました。

しかし彼の浪費癖が抜けた訳ではなく、足りなくなったお金を借金するようになっていました。当然、誰にも相談なんかしていません。

今、こうやって改めて思い返してみると本当に思うのですが、私的な理由から借金をしてしまう人間なのか、借金まではできないと踏みとどまれる人間なのかが分かれ目だと思います。だって私にはお金を借りる勇気なんてありませんもん。怖くて出来ないです。the借金地獄みたいな話を見聞きしすぎた為に洗脳せれている部分もあるかもしれませんが…。

話を戻します。

それから一年ぐらい経って頃、会社に一本の電話がありました。相手はサラ金でした。

「Yが金を返さない。ラチがあかないからこちらに電話した」

さすがにこの時はすぐにH部長部長が飛んでいってYさんにすぐに金を返すように叱りつけました。

会議用の部屋にこもって二人きりで話をしていたようですが、H部長の怒号は廊下まで響き渡っていました。それはもう恐ろしく、関係のない私の股間まですくみ上がるようでした。30過ぎのおっさんが泣くほど怒られたのでした。

Yさん曰く、「『何で黙っていたんだ!』と怒られたけど、金に困ったとき、H部長に怒られるのが真っ先に頭に浮かんでしまい怖くて言えなかった…」

…怖い上司の悪いところですね。

H部長の説得が功を奏し、すぐにYさんの借金は無事に返済されました。しかし話はまだ終わりません。

それから更に1年が経った頃、またしても会社にサラ金から電話がありました。

内容はもちろん「Yが金を返さない」

H部長は怒るよりも先に落胆していました。「またか…」胸に深い悲しみを抱えたまま、再度Yさんを会議室に呼び出しました。話を聞くと

「自分はあれから一円も借金なんてしていません。信じて下さい」

あまりにも必死な態度に虚を突かれる部長。その瞳はどう見ても嘘を言っているようには見えなかったそうです。そうなると話は変わってきます。もしかしたら、そういった詐欺なのかもしれないと部長は考えました。

Yさんがサラ金に連絡を取ってみると衝撃の事実が待っていました。

なんとYさんの母親がYさんの名前を騙り、お金を借りていたのです。

 

この親あってこの子あり。血は争えないと恐ろしく感じたのでした。

 

DNAのなせる業なのか。不思議なものです。ですがこの年になると色々と気付くこともあるのです。というのも、学生時代の同級生で片親だった子のほとんどが同じように、自分自身も片親になっていたりするのです。片親がいけないという話ではなく、やはり同じ道を歩みがちなのかなと思ってしまうのです。

子供の頃から汚い部屋で育てば汚いことに抵抗は無くなるでしょうし、親が汚い罵り方をする環境で育てば自分も子供に平気で怒りをぶつけられるようになるでしょう。

またそれとは逆に、自分は親のようにはならないと嫌うこともあります。思春期にはよくある現象ですが、これは過去を見て学ぼうとする生き物の性質として、正しい姿だと感じます。親のダメなところは真似しなければいいし、良いところは受け入れればいいし。

Yさんが両親を嫌っていたのは先の一件で知っていますが、何故なのかまでは聞いていません。でもきっと金にだらしないのが理由では無かったのでしょう。

 

怖いのは嫌っていたつもりが、気が付いたら自分も同じような人間になっていた、という場合ですかね。

 

という訳で「血って怖いね」という話でした。


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