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俺だってヒーローになりてえよ

圧倒的な読書量と端から忘却していく貧相な記憶力、ふざけた文章を駆使するポンコツブロガー。 同情されているのか、やたらとオススメ本や漫画が売れている。月商30万円ぐらい。 どうぞよろしく。

どういう上司になりたいかよりも、どういう上司になれるか



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どうも。

100人の部下を抱える中間管理職のひろたつです。

 

今回は上司としての心構えに関するお話。

 

目標は高く、という罠

 

人の上に立つ人。

 

その言葉を聞いてどんなイメージが湧くだろうか?

みんな思い思いの理想の上司像を描くと思う。よくメディアで「上司にしたい芸能人ランキング」的なのが話題に上るが、あんな感じだろう。

きっとこれから人の上に立つ仕事をすることになる人も、自分なりの“理想の上司像”があったりすると思う。

それはお世話になった人かもしれない。会ったこともないけど書籍やメディアの中で知って尊敬をしてしまった人かもしれない。

目標を高く持ち、「自分もあの高みを目指すんだ。人の上に立つ立派な人材になるんだ」という意識を持つこともあるだろう。

だが、ここには非常に危険な罠があることをご存知だろうか。

例え話

ここに理想の上司像を持ったAさんがいるとしよう。彼の理想の上司はかの有名な「松岡修造」である。

実はAさんは学生時代から引っ込み思案。そんな自分が大嫌いで否定し続けていた。

そんなある日、テレビの中で熱く、そして周囲の人を奮い立たせようと真剣に向き合っている松岡修造に憧れを抱いた。

「僕は松岡修造みたいになりたい…!」

今まで何か決断することがなかったAさんが、珍しく自分で何かを選び取った瞬間だった。

Aさんは職場で数少ない社員。若いバイトを束ねるリーダーの立場である。

 

ある日、態度の悪いバイトの男の子Bくんがいた。

同じ店の従業員からも評判が悪く、しまいにはお客さんかも「接客態度が悪い」というクレームが入ってしまった。リーダーであるAさんが動かなくていけなくなった。

 

引っ込み思案のAさん。普段ならBくんのような子に注意できない。だがそのときは違った。頭の中で松岡修造が「頑張れ!君ならできる!」と声を掛けてくれていた。

いつもなら「どうしたの?具合でも悪いの?」なんて優しいことばを掛けて、それとなく注意するぐらいしかできないのがAさんだ。面と向かって注意なんて、正直怖くてできない。

だがAさんは思った。「こんなとき、松岡修造ならなんて声を掛けるだろうか?」

 

Aさんは事務室にBくんを呼び出し、ふたりで話し合うことにした。

Bくんは明らかに機嫌が悪い。AさんはそんなBくんの態度を見て少し怯んだが、またしても心の中の松岡修造が「逃げるのか?!」と叫んできた。

 

(…やるんだ。松岡修造みたいに熱く、全力で注意をするんだ)

Aさんは決意した。

 

「Bくん、君の態度は仕事をする人のものじゃない!やる気がないならいますぐ帰れ!お金をもらうのはそんなに簡単なことじゃないんだ!」

慣れない大声を出したせいで声は裏返り、ひどく滑稽なものになった。

しかしAさんの言葉が響いたのか、Bくんは無言で事務所を出ると、それから永遠に出勤してくることはなかった。

 

「あいつがいなくなって本当にほっとしたよ」

他のバイトメンバーからはそんな声が上がっていた。

 

Aさんは彼がいなくなってしまったことを残念に思うものの、勇気を出したことで出た結果だったので静かに満足していた。

 

そんなある日、Aさんのもとに連絡が入った。

 

「…Bくんが死んだって?!」

 

知らせてくれたのはBくんの数少ない友人だったバイトの女の子だった。

彼女は泣きながら教えてくれた。

「Bくんは小さい頃から両親から虐待を受けていて、学校もロクに行ってなかったんです。心の傷のせいで人付き合いは下手だし口下手だし、だけど本当はみんなと仲良くしてみたかったんです…。でもやり方がわからなかっただけで…。バイトをすることで自分を変えてみたかったんです…」

 

まったくもって知らなかった…。

Bくんに必要なのは叱咤ではなく、理解してくれることだったのだ。

なのに自分は「自分がどうなりたいか」「何を言いたいか」にしか頭を使わず、彼のことを理解しようともしなかった。

 

Aさんは後悔に苛まれた。時間はもう戻せない。

 

人は他人になれない

「あの人ならなんて言うだろうか?」

「あの人ならどうするだろう?」

こういった考え方をすることで、自分の枠を越えた発想が出てくるというのは確かにある。私もたまに使う。

だが、それはあくまでも「演技」でしかない。

自分から出たものではない以上、仮面を被った言動になってしまう。

当たり前の話だが人は他人にはなれないのだ

憧れは健全。だけど…

理想の人に憧れるのは健全な気持ちだと思う。

しかし人は基本的に、自分が持っていないものばかりを良いものだと思い、自分が持っている「当たり前のもの」には価値を感じないという性質があることを理解しなくてはならない。

憧れを持ってしまうあの人は、実はただ単にあなたとやり方が違うだけで、目的地は同じかもしれない。

そして何よりも、あなたにとって一番のやり方と憧れの人にとって一番のやり方の一番は本当に同じものなのだろうか?常に「最善のやり方」があるほど、世界は単純だろうか?

どういう上司になれるか

理想を掲げるのは大事だが、それよりも「自分には何ができるか」に着目し、「どういう上司になれるか」の方がはるかに大事だ。

つまりこれは「夢」というぼんやりしたものを見るよりも、「次の一歩」を見据える確かな行動をしようということだ。

理想を見るのは楽しいかもしれない。今の自分とは違う姿になっていることを夢想するのは気持ちいいかもしれない。そして、今の自分のままでいることを認めるのはつまらないことかもしれない。

しかし、人は他人になれないこと、そして自分にとっての最適があること、そのふたつを考えれば、どうするべきかは自ずと分かることだろう

 

あなたは「どういう上司」になるのだろうか?

 

以上。

 

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