俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

初心者を確実に読書嫌いにさせる罪深い名作を集めてみた

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どうも。

 

私は無類の本好きなのだが、実はあまり読書力が高くない。

小難しい本や古い本、外国の作品だと付いていくのがやっとだったりする。

それでも面白い本はたくさんあるのだが、中には超弩級の強者がいる。クセが強かったり、難解だったり、作者の趣味の世界にあまりにも深入りした作品だったり、異常に長かったり、という子達である。

私ぐらいの本好きであれば「まあそういう子もいるよね」ぐらいに受け止められるのだが、初心者がもしそれらにぶち当たればまず間違いなく憤死。読書嫌いになるのは必至であろう。

ということで、今回の記事では私が今まで読んできた作品の中でも特に「これはやべえ…」と挫折させられてきた「読書初心者には絶対にオススメできない」作品を紹介したいと思う。

あなたが読書初心者であれば絶対に避けるべきだし、もしそれなりに読書歴がある方であれば挑戦してみるのも一興である。ぜひ楽しんで頂きたい。

では行ってみようじゃないか。

 

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1. 絡新婦の理

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

京極 夏彦 講談社 2002-09-05
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理に巣喰うは最強の敵――。
京極堂、桜の森に佇(た)つ。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな――2つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。
房総の富豪、織作(おりさく)家創設の女学校に拠(よ)る美貌の堕天使と、血塗られた鑿(のみ)をふるう目潰し魔。連続殺人は八方に張り巡らせた蜘蛛の巣となって刑事・木場らを眩惑し、搦め捕る。中心に陣取るのは誰か?シリーズ第5弾。

 元々京極堂シリーズはそんなに好きではなかったのだが、あまりにもネットで評価されているので、なんだかその面白さを理解できない自分が悪いような気がしてムリに読んでみた。

これがもう重いのなんのって、持ち運ぶのにも一苦労。それに開く度に本の形が崩れていくのも不快。

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この分厚さは異常。分かってて購入したんだけどさ…。

あまりにも理解不能な犯罪と遅々として進まない物語に嫌気が差し挫折。 

 

初心者の筋トレには役立つかもしれないが、読書の面白さを伝えることはできないだろう。読者を絡め取るにはあまりにも脆弱な糸である。 

 

2. 箱男

箱男 (新潮文庫)

安部 公房 新潮社 2005-05
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ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。 

たぶんトリックという言葉に幻惑されたのだろう。私は推理小説的な面白さをこの作品に求めていたのだ。きっと私が悪いのだ。

熱烈なファンが多い安部公房。天才と称されることも多い彼の文章は、私にはあまりにも荷が重かったようである。

 

初心者が『箱男』に触れようものなら、一瞬で本を閉じることになるだろう。もしかしたら閉じらされたのかもしれないけど。

 

3. 屍鬼

屍鬼〈1〉 (新潮文庫)

小野 不由美 新潮社 2002-01-30
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人口わずか千三百、三方を尾根に囲まれ、未だ古い因習と同衾する外場村。猛暑に襲われた夏、悲劇は唐突に幕を開けた。山深い集落で発見された三体の腐乱死体。周りには無数の肉片が、まるで獣が蹂躙したかのように散乱していた――。闇夜をついて越して来た謎の家族は、連続する不審死とどう関わっているのか。殺人か、未知の疫病か、それとも……。超弩級の恐怖が夜の帳を侵食し始めた。 

怖いってなんだろう?

このホラー小説を読んでいる間、私はずっとそう考えていた。文庫本全5巻からなるこの一大叙事詩はホラーと呼ぶにはあまりにも淡白というか、恐怖要素が足りない。

別に長いからいけないのではない。長くても面白くて止まらなくなる小説はたくさんある。

だがこれはいけない。病気の考察が永遠と続く感じとか…もう…。 

 

初心者が読めば「…何も起こらない…だ…と…?」と困惑すること間違いなし。一緒に腐ろう。

 

4. 山月記

山月記・李陵 (集英社文庫)

中島 敦 集英社 1993-04
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詩人をめざしながら、その尊大な性格のために自らの才能を磨くことを怠った李徴は、月に咆哮する虎と化す…。 

高校のときに授業でやったし、短編集だし、評価も高いし、自分でもきっと楽しめるだろうと手に取ったこちらの作品。

あれ…?何か…、こんな感じじゃなかったような…?

学生時代に「可愛いな」と思っていたあの娘が、久しぶりに会ったら「あれ?こんな顔してたって?」と疑問に変わったときのような感覚。

授業でじっくりと紐解けば見えてくるものも、自分の力だけで読むとなるとそれなりの読書力が必要になるみたいでして。あえなく挫折。というか読み切ってはいるけども楽しめず。

 

初心者であれば私と同じように「あ、知ってるやつだ!」と手に取ることだろうが、安易に手を伸ばした自分の判断を後悔することになるだろう。虎になってからじゃ遅いのだ。

 

5. リアル鬼ごっこ

リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)

山田 悠介 幻冬舎 2004-04-10
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6. 黒死館殺人事件

黒死館殺人事件 (河出文庫)

小栗 虫太郎 河出書房新社 2008-05-02
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黒死館の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。奇々怪々な殺人事件の謎に、刑事弁護士・法水麟太郎がエンサイクロペディックな学識を駆使して挑む。江戸川乱歩も絶賛した本邦三大ミステリのひとつ、悪魔学と神秘科学の結晶した、めくるめく一大ペダントリー。

日本三大奇書の異名を取る名作である。読書好きであればそんなフレーズを目にして作品に手を伸ばさない訳にはいかないだろう。

…伸ばすんじゃなかった…。

衒学につぐ衒学。おかげさまで衒学という言葉をこの作品で学ばせて頂きました。本当にありがたいお話です。

江戸川乱歩が絶賛してるぐらいだから相当面白いのかと期待したが、考えてみれば私は江戸川乱歩じゃないし、同じように楽しめるはずもなかった。

 

初心者が手に取ることはまずないほどマイナーな作品だが、もし読む機会に見舞われたら即刻その場を立ち去ることをオススメする。光る屍体になるぞ。

 

7. 虚無への供物

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

中井 英夫 講談社 2004-04-15
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昭和二十九年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司(そうじ)・紅司(こうじ)兄弟、従弟の藍司(あいじ)らのいる氷沼(ひぬま)家に、さらなる不幸が襲う。密室状態の風呂場で紅司が死んだのだ。そして叔父の橙二郎(とうじろう)もガスで絶命――殺人、事故?駆け出し歌手・奈々村久生(ななむらひさお)らの推理合戦が始まった。 

こちらも日本三大奇書のひとつ。アンチ・ミステリーの傑作である『虚無への供物』である。

大体にしてまずタイトルから意味が分からない。虚無も供物も分からない。それでも購入し読もうと思った若かりし頃の私の気持ちも分からない。 何もかもが分からないのだ。

 

初心者にはあまりにも高いハードルで、人によっては壁にしか見えないレベルで読みづらい作品である。一度読み始め、胸に訪れるその感覚は虚無と呼ぶに相応しいかもしれない。

 

8. 金閣寺

金閣寺 (新潮文庫)

三島 由紀夫 新潮社 2003-05
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一九五〇年七月一日、「国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み――ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中するにいたった悲劇……。31歳の鬼才三島が全青春の決算として告白体の名文に綴った不朽の金字塔。  

天才三島由紀夫の傑作である。海外でも評価されている。

外人でも分かる三島文学をなぜロクに英語も喋れない 生粋の日本人である私が理解できないのだろうか。誰か教えて欲しい。え?バカだからだって?うるせえバカ。

実際に起きた事件を元にした作品なのだが、あまりにも登場人物に肉薄した描写はくどく、共感することがまったくできない。作品に没頭できない。いつまで経っても文字の羅列のまま。

 

名作を評価できるのはそれなりの達人だけである。初心者は大人しく東野圭吾でも読んでいよう。超面白いから。

金閣寺に魅せられるのは来世でいいや。

 

9. 蟹工船

小林多喜二 蟹工船

小林 多喜二,雨宮 処凛,野崎 六助 金曜日 2008-07
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おい地獄さえぐんだで-函館から出港する漁夫の方言に始まる「蟹工船」.小樽署の壁の日本共産党万歳! の落書に終わる「三・一五」.小林多喜二(1903-1933)25歳のときの2作は,地方性と党派性にもかかわらず思想評価をのりこえプロレタリア文学の古典となった.搾取と労働,組織と個人.歴史は未だ答えず 

重厚なテーマを抱えた重要な作品だとしても、受け付けられないものは受け付けられない。

文章からにじみ出る男たちの体臭が半端ではない。もしかしたら実際に本自体が臭かった可能性すら考えられるほどだ。

私の想像力が豊かすぎたせいか、逆に世界に入りこむことが苦痛になってしまったというある意味名作である。

 

初心者が手を出すのであれば制汗スプレーは必須である。びっしょり濡れるぐらい振り掛けてくれ。マルクスにも掛けとけ。

 

10. 罪と罰

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

ドストエフスキー 岩波書店 1999-11-16
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その年、ペテルブルグの夏は長く暑かった。大学もやめ、ぎりぎりの貧乏暮らしの青年に郷里の家族の期待と犠牲が重くのしかかる。この悲惨な境遇から脱出しようと、彼はある「計画」を決行するが…。世界文学に新しいページをひらいた傑作。

「世界文学に新しいページをひらいた傑作」を私はすぐさま閉じることになってしまった。 

本好きの間ではドストエフスキーは超人気作家だ。「ドストエフスキー」なんてあからさまに取っ付きにくい名前だし、『罪と罰』なんていう小難しさを凝縮したようなタイトルだし、ハードルが下がっているだけじゃないのか?Amazonのレビューでは大絶賛の嵐だけど、私には付いていけない高みだったようです…。

 

こんなに地雷の臭いがする『罪と罰』を自ら手に取るような奴は、勝手に自爆するタチだと思うので、私から何を言ってもムダであろう。理屈ではないのだ。

 

11. 暗黒館の殺人

暗黒館の殺人(一) (講談社文庫)

綾辻 行人 講談社 2007-10-16
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蒼白い霧に峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴…。著者畢生の巨編、ここに開幕。 

推理小説界に燦然と輝く、稀代の傑作『十角館の殺人』をこの世に生み出した綾辻行人の生み出した駄目な子『暗黒館の殺人』である。

十角館の殺人』は最高だった。でも『暗黒館の殺人』は最低だ。

十角館の殺人』は興奮した。でも『暗黒館の殺人』は消沈した。

十角館の殺人』は出会えたことに感謝した。でも『暗黒館の殺人』出会ったことを後悔した。

なんてことをいくらでも書けるぐらいどうしようもない作品だった。

館シリーズの集大成的な扱いになっているが、私には一体何を集めてきたのかよく分からない。

 

初心者が本書を手に取り、進む道の先はまさに“暗黒”である。

読書嫌いにならなかったら逆に褒め称えたいぐらいだ。 

 

12. ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

夢野 久作 角川書店 1976-10
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精神医学の未開の領域に挑んで、久作一流のドグマをほしいままに駆使しながら、遺伝と夢中遊行病、唯物化学と精神科学の対峙、ライバル学者の闘争、千年前の伝承など、あまりにもりだくさんの趣向で、かえって読者を五里霧中に導いてしまう。それがこの大作の奇妙な魅力であって、千人が読めば千人ほどの感興が湧くにちがいない。探偵小説の枠を無視した空前絶後の奇想小説。 

さあ最後はもちろんこちらの作品である。表紙からしてイカれた感じがプンプンするが、これでも名作なのだ。 

著者の夢野久作は「私はこの作品を書くために生まれてきたのかもしれない」と語っており、実際に作品を上梓した翌年、来客の応接中に脳溢血で突然亡くなったそうである。 

本作を書き上げるまでに10年以上をかけていたり、元新聞記者、元僧侶だったりとエピソードに事欠かないこと、さらには「読むと気が狂う」という触れ込みがあったりと、読まずにはいられない要素が盛り沢山。

 

そして読んでめでたく爆死。

 

最大の難関として悪名高いのが「チャカポコ」である。

私は事前に「チャカポコ」の恐ろしさを見聞きしていたので何とか乗り越えることはできたのだが、「チャカポコ」を乗り切って上巻を閉じた後、下巻に手を伸ばすことがどうしてもできなかった。いまだに手は届かないままだ。たぶん10年以上経っていると思う。

 

初心者が読むにはあまりにも強大な壁であり、もしかしたらそもそも本として認識することすら難しいかもしれいない。そんなレベルの怪作である。

読まずとも全く問題はない。だがあの絶望感(全っ然面白くないという絶望)は一度体験した方がいいかもしれない。人生経験的な意味合いで。

 

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名作に地雷多し

以上が私が今までに出会った愛すべき地雷たちである。

どれもこれも名作の名に相応しい作品ばかりだが、未熟な私には楽しむことができなくて残念極まりない。

ただどの名作にも言えることだが、強烈に刺さる人がいたからこそ今でも評価されているわけであって、私ひとりの感想など屁でもないということだ。そしてそれだけ尖った作品だからこそ、急所を外すと大変なことになる。名作に地雷が多いのは当たり前の話なのかもしれない。

なのでもしかしたら初心者といえども、これらの作品の中に「価値観を変える」ようなものがあるかもしれない。…ないかもしれない。

 

時間の流れは駄作を確実に駆逐する。時間の流れを耐えてきたというだけでこの作品たちには価値があると言えるだろう。

その価値に触れて、ぜひとも私と同じように絶望感を味わってもらいたいものである。

 

以上。

 

地雷を踏んだらサヨウナラ (講談社文庫)

一ノ瀬 泰造 講談社 1985-03-08
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