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不快さの奥にある真理。中川淳一郎『ネットのバカ』

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どうも。日本一のネットウォッチャーによる不快な名著を紹介したいと思う。

 

著者&内容紹介

ツイッターで世界に発信できた。フェイスブックで友人が激増した。そりゃあいいね! それで世の中まったく変わりませんが……。ネットの世界の階級化は進み、バカはますます増える一方だ。「発信」で人生が狂った者、有名人に貢ぐ信奉者、課金ゲームにむしられる中毒者、陰謀論好きな「愛国者」。バカだらけの海をどう泳いでいくべきなのか。ネット階級社会の身もフタもない現実を直視し、正しい距離の取り方を示す。

著者の中川淳一郎氏はネット界隈では超有名人なので(私は本書を読んで知ったけど)、紹介の必要はないかもしれない。大体にして彼の人となりを説明するよりも、彼のツイートを読めば一目瞭然である。

 

こんな感じの御方だが、本書の中身はここまで過激ではないのでご安心を。 

 

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ネットの大海を漂うために

本書で語られる内容は人によっては不快かもしれない。著者の性格もあるだろうが、とにかくものいいが明け透けだし、大体にしてそもそも口が悪い。タイトルからして『ネットのバカ』だし。

だが中川氏は長い間、ネットを仕事の場として生き抜いてきた猛者である。ネットを誰よりも観察し、学び、金を生み出してきた人間だ。そんな人間の見識や言葉が刺さらないわけがない。実際、私は本書を読みながら自分のブログを方向転換することにした。

ネットで活動する人間であれば、本書を通して見える真実があるはずだ。

「ネットでウケる12ヶ条」とかみんな大好きな話でしょ。転載はしないので、興味がある人は本書を手にしてもらいたい。

ネットのバカ (新潮新書)

中川 淳一郎 新潮社 2013-07-13
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ちなみに私に1番影響をもたらしたのは以下の一文である。

ネットがあろうがなかろうが有能な人は有能なまま、無能な人はネットがあっても無能なまま 

とにかく口が悪い

本書で得られる知識をまとめるとこんな感じである。

・ネットの特性

・ネットで生き抜くための方法・傾向

・ネットの餌食になる人

・ネットの幻想について 

どれもこれも私のような個人メディアを運営する人間には垂涎の知識ばかりである。ありがたく頂戴した。

しかし、これらの知識を得るには著者の乱暴だったり虚仮にしたような物言いをクリアしなければならない。

私もなかなか口が悪い方だし、このブログでもかなり悪態を使いまくっているが、そんな「口が悪い文化」を持った私でもこの『ネットのバカ』は正直、不快な部分が見受けられた。

表面だけで判断するのはもったいない 

これは本書とは直接関係ない話だが、普段の生活の中でも似たようなことがある。

自分の気に入らない人の話はまともに聞こうとしなかったりするし、態度が悪い人を見るとそれだけで相手をする気が失せたりする。ファッションひとつ取ってもそうだし、話し方や仕草、クセなど、なにかにつけて人を区別してしまう。

その結果、相手が語る内容や、行動を正当に評価できなくなりがちである。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの例えもあるように、人はすぐに目が曇ってしまうものだ。ここは自戒の意味も込めて記しておこう。

私は中川氏の文章があまり好きではない。攻撃的にすぎるが、彼の言葉が語っている内容に関しては、正当に評価したいし、実際に参考になった。かなり大きな方向転換になる予感がしている。

 

以上。