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ONE PIECEを超えるマンガ『キングダム』の熱に触れる

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どうも。

 

今回紹介するのは、これからONE PIECEを超えることになるであろうマンガ『キングダム』だ。

何をもって”超える”なのかはハッキリとは言えないが、超えることは間違いない。

世界で3億2000万部(2014年末)の売上を誇るONE PIECE超えてしまう。そんなバケモノに育つであろう『キングダム』の魅力について、この作品同様熱く語りたいと思う。

そう、とにかくこの作品は熱いのだ

 

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あらすじは余計

紹介すると言っておきながら何なのだが、私はあらすじを紹介するのがあまり好きではない。というのも、どんな物語も「知識ゼロ」で見始めるのが一番楽しめるからだ。

できれば『キングダム』も基礎知識ナシで読み始めてもらいたい。

スマートニュースやGunosyに載ったことがあるほど作品を紹介するのが上手い私を信じてもらえると助かる。その先には最高のマンガ体験が待っていることを保証する。

キングダム 1 (ヤングジャンプコミックス)

原 泰久 集英社 2006-05-19
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あらすじ

かと言って、誰もが無条件に作品を受け入れてくれるとも思っていないので、あらすじを紹介する。

時代は、紀元前。500年の争乱が続く春秋戦国時代、中国西方の国・秦の片田舎に「信(しん)」と「漂(ひょう)」と言う名の2人の戦災孤児がいた。2人は、下僕の身分ながら、「武功により天下の大将軍になる」という夢を抱き、日々、剣の修行に明け暮れていた。
やがて、大臣である昌文君に見出されて1人仕官した漂だったが、ある夜、残された信の元へ深手を負って戻って来る。息絶えた漂から託された信が辿り着いた目的地には、漂と瓜二つの少年がいた。その少年こそ秦国・第31代目の王である政(せい)であった。漂が命を落とす原因となった政に怒りをぶつける信だったが、自らに託された漂の思いと自らの夢のために、「王弟の反乱」そして乱世の天下に身を投じるのだった。 

ネタバレにもほどがあるが、これがあらすじである。

ただ言っておきたいのは、このあらすじはほんの4巻までのものである。この記事を書いている時点ですでに41巻まで出ている。話の広がりはこんなものではない。

ド直球の少年マンガ

キングダムの主人公である”信”は、アホで考えなし。だが熱く、決して諦めない強い気持ちと、確かな信念を持った少年だ。

どこかで聞いたことがあるような設定だが、これはキングダムの話なのでONE PIECEの話題は出さないでくれたまえ。

物語にこういう性格の主人公を据えるとどうなるか?

ド直球の王道少年マンガが出来上がるのだ。ド直球の王道少年マンガというのは、

「強い敵が出てくる」

「勝てない」

「修行する」or「覚醒する」

「勝つ」

「また新たな敵が出てくる」

というものだ。

こうやって俯瞰して見ると最高にワンパターンなのだが、それをまったく感じさせないのがこの作品の凄いところでもある。

王道という言葉は敬遠されがちだ。「ありきたり」だったり、「飽きた」という印象を受けることだろう。

私は言いたい。

「王道」こそが物語の本質であり、「王道」を行けないから他の手段で読者をたぶらかすのだと。

人が最高に興奮する物語は「王道」でしか有り得ない。そして「王道」を突き進める作品というのは、いつの時代も限られているのだ。今の時代で言うならば、それが『ONE PIECE』であり、この『キングダム』なのだ。 選ばれた作品なのである。

頭脳戦もある 

もちろん、王道少年マンガなので戦闘シーンは非常に素晴らしい。だがこの作品の見どころはそれだけではない。それが頭脳戦である。

今時の作品には読者の想像を先へ進ませないことが必要とされる。または、想像を越えた展開であることが求められる。

そのために作者はあえて複雑な設定を持ち出したりする。分かりづらくすることで読者を通せんぼするわけだ。

だが『キングダム』は違う。真正面から「こんなのムリだろ…」という状況を私たち読者にぶつけてくる。その絶望感は読んでいて疲労感さえ覚えるほどだ。

だが、そんな状況を打開するために登場人物たちは奔走する。頭脳戦を繰り返す。

これが非常に気持ちいいのだ。絶体絶命の状況での頭脳戦とはいえ、繰り広げるのは作中のキャラクターたちだ。読者ではない。作品の中に入り込んでしまうが、それでも頭を使うのはキャラクターたちなので、私たちはただただそのジェットコースターに振り回されていればいいのだ。

 

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作画は褒められたものではない 

すでに有名な作品なので、書店などで『キングダム』の表紙を見た人は多いと思う。そして、「人気なのは分かってるけど…」という人が多いのも私は分かっている。その理由は単純だ。

作画がひどい。これに尽きる。

とんでもなく暑苦しい作品である『キングダム』だが、その暑苦しさは作画にも表れている。これは女子が敬遠するのも頷けるというものだ。ここが『ONE PIECE』とは違う点だと思う。

だが聞いてくれ。作画なんてのはな、マンガに関係ないんだ。

「は?絵を見るのがマンガなのだから、綺麗じゃなきゃダメでしょ?」

そんな声が聞こえてきそうだ。だがそれは全然違う。まったく違う。 

作画なんてのはおまけみたいなものだ。最初は気になるかもしれないが、人間には「慣れ」という素晴らしい機能が備わっている。2分と経たずにこの絵面に慣れてしまう。

その証拠に今でも森三中をブサイクだと思っている人がいるだろうか?ハリセンボンは?オカリナは?みんなもう見慣れてしまっているだろう。そういうものなのだ。

絵が嫌いという下らない理由で読まないのはアホとしか言いようがない。もし「慣れ」という機能が先天的にか後天的に備わっていない人がいるのであれば話は別だが、大概の人は大丈夫だ。

なによりも私が、絵が嫌いだからと『キングダム』を読んでいなかったのだ。だからこそこんなにもしつこく言っているのだ。

分かってもらえただろうか?

心に火をつける

『キングダム』最大の魅力は「心に火をつける」ことだ。

この作品に触れると、その熱量にやられてしまうのだ。

やられるとどうなるか?

人によっては続刊を買いに走ることだろう。

人によっては誰と『キングダム』について語りたいと思うだろう。

人によっては私と同じように「他の人にも読んでもらいたい!」と思うだろう。

 

面白いものはこの世に数多くあれど、ここまで長く人の心を燃やし続け、捉えて離さない作品はそうそうないだろう。

しかも、『キングダム』が凄いのは、中だるみしない所だ。長期連載特有の「〇〇編は好きじゃないな~」的なのがない。ずっと熱い。ずっと面白い。

そしてこれこそが私が『ONE PIECE』を超えると語る理由なのだ。ここまで濃く、熱く、長く連載できるのは作者の稀有な才能のなせるわざだ。他の作品にこのクオリティは求められない。

 

どうかこの物語の熱に触れてもらいたい。そこで味わえる興奮はあなたの一生ものになることだろう。

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